看護師に必要な非言語的コミュニケーション

コミュニケーションの種類に、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションというものがあるのもご存知でしょうか?

話す言葉、言葉の内容によるものが、言語的コミュニケーションと呼ばれ、対人距離、表情、姿勢、声のトーンなど言葉ではないものが非言語的コミュニケーションと呼ばれています。

看護師にとって特に重要となるのが、非言語的コミュニケーションです。なぜなら、相手に与える印象の6~9割程度は非言語的コミュニケーションによるものであり、話す内容より表情などから与えられる印象のほうが会話のインパクトは大きいとされるからです。

看護師は、まだ対人関係を構築できていない患者さんから、病気やプライバシーに関わる事を聞かなければなりません。
そんな中、初対面の相手から安心感・信頼感を得るには、対人距離を75~120cm 程度に保つとよいとされています。この距離は、相手の表情を細かく見分けることができる距離であり、病状を判断したり、個人的な事を話したりするのに適しています。

また、会話をする際の立ち位置、座り位置も安心感・信頼感に大きく関わってきます。
相手に対して話し手が正面に立った場合、相手は圧迫感を感じ、リラックスできない傾向があると言われています。そのため、正面ではなく、相手の視点から見て45度~90度の角度に立ち、直接視線を合わせる回数を減らすと良いとされています。

このようなちょっとした非言語的コミュニケーションのエッセンスを組み込めば、患者さんと和やかな雰囲気で会話ができるようになるかもしれません。

対人距離や位置といった非言語的コミュニケーションを使って、患者さんの細かな表情や態度を観察することで、言葉とは違う心の本音に気付くこともあります。看護において患者さんの本当の気持ちを読み取ることは非常に重要です。
的確なケアを実践するという意味でも、非言語的コミュニケーションのスキルはしっかり身につけておくことをおすすめします。