東日本大震災後、被災地に医師が派遣されましたが、高齢者の方言が理解できずに医師が大変に困惑したということがあります。
そのことから弘前大学医学部では「医療用 津軽のことば」という教材が配られ、学生は津軽弁を勉強している事情をご存知でしょうか。
本州のなかでも津軽弁が最も理解しにくい方言であることから、弘前大学と東北電力の協同により、津軽弁をAIで標準語に自動翻訳する研究が進められ、医療現場で使われつつあります。
これまでは、地元出身の看護師等が津軽弁の翻訳をして、医師に標準語で伝えていました。
しかし、時代と共に地元に若者が増えるにつれ津軽弁が理解できない人の割合が大きくなってきており、大枠は理解できたとしても微妙なニュアンスが伝わらず、患者さんの病状を正確に把握できないという問題が懸念されています。
津軽弁の勉強やAIによる翻訳は素晴らしい取り組みですが、方言が理解できないのは津軽弁に限らず、全国どこでも起こることです。それに対して、一から方言を勉強する、AIを開発する、という方法は時間がかかりすぎて対応が間に合いません。
強い方言を使う人の多くは高齢者ですが、たとえ標準語を話す高齢者であっても意思の疎通が難しい場合はあります。
それらの問題を打破するには、全国共通で使える症状を表したイラストボードのようなツールがあれば便利だと考えられます。該当する症状のイラストを患者さんが指し示すことで、より正確に伝わるのではないでしょうか。方言の壁を無くすには、こうしたツールを作り出す取り組みが必要不可欠だといえます。
全国の地方を転々とする医療従事者は、方言は無視できない要素です。患者さんに寄り添うたmには、その地方の方言やコミュニケーションの傾向を把握しておくことが大切です。医療における方言事情や方言の種類・対策等については、以下の参考サイトにまとめてあったので、一度読んでみるといいでしょう。